2012/12/12

今年もクリスマスを迎え


2012年も瞬く間に過ぎ去ろうしています。そして今年もクリスマスの時を迎え、定期的に被災地支援を継続されているイザヤ58ネットの皆さんがクリスマスの贈り物を届けてくださいました。特に福音伝道教団諸教会皆様方の暖かい贈り物に心から感謝したいと思います。石巻、南三陸町のこれまでかかわった仮設の皆さんに届けられています。この時期は様々な団体、また諸教会、クリスチャン個人事業を営む人などがクリスマスの幸を届けられています。

また西堀キリスト福音教会の婦人会有志の皆さんが今年も早々と暖かいクリスマスプレゼントを用意してくださいました。受け取られた方々ひとり、ひとりが温まる心をもって新年への希望を描くことができるようにと願っています。これまで関わった方々に届けています。

夏以降の主な支援活動 8/8~10 イザヤ58ネット 南三陸町、石巻、女川訪問
8/12 クリスチャンセンター南三陸町「愛真望館礼拝」クリスチャンの支援と宣教について共に考えています。
8/19 クリスチャンセンター南三陸町「愛真望館礼拝」
8/13 石巻合同慰霊祭(日和山公園)
8/20~22 同盟被災地訪問ツアー SBSネットからの図書提供に協力支援(中瀬、旭丘)

9/13 ラルフさん波伝谷奉仕希望打ち合わせ、継続的に労してくださることになりました。特に農魚家レストラン「慶明丸」の再開に向けて大きな励みになっています。
9/17 日韓信仰復興聖会(青葉荘教会)
9/23 愛真望館礼拝

10/1 台湾の救助協会支援と宣教プレゼンテーション(SBS) 10/11 愛真望館礼拝
10/19 マリンズ師、被災地訪問、気仙沼、南三陸町、石巻
10/24 波伝谷芋煮会交わり
10/27 旭が丘芋煮会交わり、子供会と親御さんたち、また地区の防災訓練と合わせて行われる。

11/6  南三陸町支えるネットワーク会合が神学校で開かれる。
11/15 訪問戸倉地区
11/25 愛真望館礼拝
11/27 南三陸町追悼記念祈り会プレヤーウォーク 11/29 フレミング宣教師を送り出しているカナダの宣教団代表と共に被災地を訪問しました。南三陸町(波伝谷、クリスチャンセンター、中瀬、津波被災者からの証言を聞く)、山元町の恵泉キスと教会 支援センター等

12/6 キングスビレッジ起工式 面瀬地区  歌津升沢、大上坊米広訪問
12/10~12 イザヤ58ネット訪問、南三陸町、石巻
12/11日(火)大上坊契約センターを会場に地域の方々と暖かい山形芋煮の交わりを行いました。

8月から11月まで神奈川のブラジル人教会牟田セルソン牧師を中心に石巻の津波家屋被災受託支援のために取り組まれた。

クリスマス前までに大森、歌津等での芋煮を予定しています。

2012/08/26

猛暑の被災地で

7月は保守バプテストミッションの短期宣教チーム、シリコンバレーで有名なカルフォニアのValley Churchのメンバー17名が来会しました。一週間、牡鹿半島を拠点に南三陸町、そして石巻等での活動でした。漁港での牡蠣養殖に準備作業お手伝い、津波被災家屋の修復、高台移転地候補地の草刈り、仮設の方々へのクラフト教室と多彩でした。今回は初めて被災地に宿泊しての活動でした。

8月は「イザヤ58ネット」のチーム、そして保守バプテスト同盟の有志のチームの奉仕がなされました。「イザヤ58ネット」定期的に被災地に来てくださっていますが今回は石巻や南三陸町での活動、特にミシン、ジャガイモ、タマネギを300キロほど運んでいただきました。またブラジル人教会の有志、8月30~9月1日まで韓国人教会(オンヌリビジョン教会)の皆さん18名が石巻で被災家屋の修復活動をしているD.ペンソン宣教師のもと厳しい暑さの中で取り組まれています。

特に今週、南三陸町での支援活動に汗を流してくださった保守バプテスト同盟の被災地支援ツアーの皆さんは今回が初めての参加です。保守バプテスト同盟に所属するいくつかの教会は被災地にあることもあって、ほとんどSBSネットの関係で活動する方々はありませんでした。今回、私どもの取り組みの一端を知っていただく機会になったと思います。

この先を見据えて
今後の「災害復興支援SBSネットワーク」の働きについて考えるべき時に至っています。SBSネットは地区教会を母体にしたものではありません。その地区教会の大切さを考えるとどこかで区切りを決断する必要があると思います。優先順位として地区教会が主体的に進める支援活動を支援することです。また教会がない地域での活動は地区教会に結びつきができるように取り組むことです。また地理的限られますが神学校を宿泊拠点にできるボランティア活動を調整していければと願っています。

現在は教会のない南三陸町とか牡鹿半島での支援活動が主になってきました。そして密接な協力関係にある「南三陸町を支えるキリスト者ネットワーク」の主導の下、この春にクリスチャンセンター南三陸町「愛真望館」が廻館に設置されました。このセンターに常駐するスタッフが導かれ、南三陸町全域にわたる支援活動が行われています。各仮設への支援活動、子供支援、学習支援、地区行事への協力等が実施され存在感を増しています。

主日午後には礼拝も行われています。子供たちのための教会学校、また礼拝は主に南三陸町、また周辺の市町村で活動するボランティアの方々、その知人たちが参加しています。被災地の方々への福音宣教も進められています。自分も時々出かけますが、支援と宣教の在り方に関するの聖書の意図を共に考えるようにしています。クリスチャン、未信者共に考えることができるからです。

クリスチャンセンターは期間限定ですので、その後に恒久的な支援センターが設置され、常駐者が起こされることです。すでにその方向で準備がなされています。理想的には被災地の方々で神の招きに応じ、その方々が中心になって支援と宣教が継続されることです。福音の素晴らしさを紹介する機会をどのようにして得られるか知恵を尽くし祈っています。今後ボランティアに参加される方々はこうして点を真剣に考えながら取り組むことができるように願っています。

仮設から高台移転が具体化するまでにある程度の見通しを立てる必要があると思います。その後、どれだけ信頼関係を築き、生き方に影響が与えることができるかです。そして何よりも被災地の次世代の方々を見据えた支援ができればと願っています。

2012/05/28

自立支援

短期宣教チームとして「ケネディーチーム」(6名)が二週間ほど奉仕されました。ケネディさんは1980年代、JCBMの宣教師として仙台教会そして当時の仙台大町教会で奉仕されました。1990年に神学校が愛子移転となったころ、ケネディーさん家族も近くの葛岡に宣教師住宅を建てられたこともあり、神学校のためにも協力をいただきました。

16日仙台着

17~18日歌津での畑作業

19日(土)、21~22日、24日(木)戸倉地区自立支援作業

23日(水)25(金)、26(土)、28日(月)石巻で家屋修復作業

戸倉地区は自立支援の一環としての取り組みでしたが、想像以上の働きをしていただきました。被災地の方々が自立的な活動に心が動いています。津波のかぶった場所ですが、畑を再生させ、作付けをしていこうというのです。今回は土中に紛れ込んだ細かながれきを取り除き、耕耘機で畑を起こし作付けできる下準備、そのスタートの作業です。今年は春先の気温も低く、作付けには何とか間に合いそうです。

チームの皆さんはプラスアルファーの仕事をしてくださいました。再生した畑の要所要所に小さな花壇を作り、花を植え、畑に彩りを添えていただきました。また、結構広い場所でしたので、適当な場所にサクランボや桃、梅といった苗木を購入し植えていただきました。言葉は十分交わせなくとも、真実な思い、愛は十分につたわったと思います。

ちょうど先週の初めは団体の集まりなどがあり、本格的な作業のときは同行できず、気になっておりましたが、思いを遙かに超えた作業をしていただき感謝しています。

ケネディーさんチームに先立って西堀キリスト教会から二人の婦人、安藤さんと中家さんたちが15~17日にかけて南三陸町を訪問してくださいました。この教会の婦人有志が継続的に一つ一つ心のこもった贈り物を続けてくださっています。限られた時間でしたがこれまで関わった被災地の方々を訪問し交わりを深めました。この人と人とのつながりが大きな励みになっています。

28日(月)から31日(木)にかけて「イザヤ58ネット」の皆さんが、主として南三陸町で活動予定です。次週6月8日(金)にはクリスチャンセンター「愛真望館」の開所式が行われます。南三陸町での支援と宣教の拠点として主の働きがなされることに期待が高まっています。

2012/05/02

クリスチャンセンター事業展開に向けて

オレゴンチーム「ホープジャパン・オレゴン」の支援活動を終え、先週末26日に無事帰国しました。今回は女性と高校生をはじめ若い方々が中心のメンバーでした。10日間休む間もなく連日に活動に取り組んでいただきました。

前半は牡鹿半島の漁港、小淵浜、給分浜で四ヶ所に分かれてワカメ収穫作業を支援しました。シーズン限定の繁忙期とは言え、全くの素人集団を快く受け入れてくださった漁港の方々に感謝したいと思います。四日間、仙台の愛子から牡鹿半島まで2時間の通勤です。そのため仕事は10時から始めて、午後のお茶タイム3時半頃には終えるというパターンです。彼らには時差ぼけがあるためにむしろ2時間の通いは体調管理に都合良かったように思います。ただし、運転を担当された方にはとてもきつい毎日であったのでは思います。忙しい時期だけに、人手を歓迎すると共に神経がぴりぴりしている状況にもありました。それでもとにかく一生懸命働く彼らに本当に感謝していただきました。仕事を終えて、何キロものワカメをお土産にいただきました。最後の日には皆さんの前で証しをしたり賛美をする機会もあり皆さんとの別れを惜しみました。アメリカに帰って、食事に用いられるワカメを味わうたびにこの漁港の方々を思い出してくださるでしょう。何よりも次につながる働きをしていただき感謝しています。

21日(土)は蔵王キリスト教会が支援を継続している東松島で教会のメンバーと合流し取り組みました。翌週23~25日の三日間は南三陸町での活動、近い将来、恒久的なクリスチャンセンター建設予定地である歌津での作業、そして最終日は戸倉地区の波伝谷仮設住宅でお茶の会を持ち皆さんとの交流を深めました。波伝谷仮設での交わりでは特にオレゴンチーム全員がハンドマッサージをしてくださり、被災者一人一人と心温まる交流ができ、感謝しています。被災者一人一人の一日も早い回復を祈って帰ってきました。

歌津は近い将来、教会堂を建て、複合的なクリスチャンセンターとしての事業を展開しようとしています。3.11大震災直後から支援活動に専心してきた中澤竜生牧師を中心に取り組んできた誠実な支援活動がこの状況を生み出したのです。共に支援と宣教の考え方を共有しながら取り組めたことに感謝しています。

今回は当初予定していた作業が変更になり、やはりこの地の下準備として、畑作作業を行うことになりました。土地の所有者、関係する地元の方々の協力で土興しをし、人海戦術で石の除去を行い、ジャガイモ、大豆等の作付けを行いました。地元の人たちの好意に感謝したいと思います。二日目はせっかくの野外作業でしたので、昼食に皆さんで山形牛の野菜炒めをいただきながら交流の時を持ちました。

この地でのクリスチャンセンター実現への方向性は間違いないであろうと思います。しかしクリアしていかなければ大きな課題がいくつかあります。当初得ていた情報とは違った新たな状況に展開しつつあります。現実はいわゆる開発行為以前の見切り発車的な開発ですので具体的な計画を進めることはできません。全体の開発をゆだねられているのかどうなか、もう少し地権者と確認し合う必要があります。その工事費負担をどうするのか等、とにかく事業計画を含めた全体の青写真を描くことです。近々に設計士にお願いしてスケッチしていただこうと思っています。諸事業の中身や可能性、同時に予算等が明らかにし、その上で可能なところから取り組むことになると思います。現実を見据えて、賢く、知恵深く取り組む必要があります。

2012/04/15

クリスチャンセンター「愛・信望館」に期待

先回は大森地区のコミュニティーセンターの必要について発信しました。その後連絡があり、仮設のプレハブを融通していただける見通しになったというのです。とにかく建物が確保でき一安心です。後は必要に応じて設備、備品等を整えていくことになると思いますが、必要に応じてできる協力きればと思います。

今週から来週にかけて、オレゴン州、ポートランドにある日本人教会から13名のボランティアチームが来日します。年齢も高校生から成人、男女半々のチームです。今被災地支援の状況も次々と新しい展開に動いているときで、具体的活動はなお調整中です。いずれにせよ次につながる働きをしていただければと期待しています。

南三陸町では大きな枠組みで「支援と宣教」が展開しそうです。第一次、第二次のクリスチャンセンター建設が具体的に進んでおり、第一次のセンターは、すでにプレハブが設置されました。間もなく宿泊も可能になるだろうと思います。これ自体、これまでの支援活動の結果として実現していることに注目したいと思います。

問題はどのような理念で「支援と宣教」を展開していくか。箱物を作ったその先です。どのような人が、何を展開していくかです。具体的に現地でリーダーシップを発揮している方はある程度、考え方を共有できているのでこの先の展開に期待しています。

次世代の子供たちのための働きを担当する方がすでに活動を展開しています。福音宣教の重荷を持って取り組もうとしている方も意思を明らかにしています。町の復興に関わる諸事業、特に高齢者に対する福祉事業も展開できるかもしれません。

先週には歌津、大上坊を訪ねました。歌津は主として漁業に従事する方々、大上坊は農業を専業とする方々です。漁業は津波による壊滅的な被害を受け、ある意味、ゼロからの再建です。しかし、希望は海そのものが豊かな資源です。今回の津波はワカメが豊かに育つ環境を再生したと言われています。農業については作られた作物が適正な価格で流通することです。ちょうど、訪問した先で社団法人「アジア協会アジア友の会」のスタッフの方にお会いしました。まさに地場産業の再生と流通に取り組んでいるようです。

クリスチャン団体もこうした町の復興に寄与・貢献できる支援と宣教が展開されればと思います。そういう意味ではこの南三陸町の取り組みには期待感があります。

2012/03/31

大森地区コミュニティーセンターを!

私たちはこの一年間、南三陸町の在宅被災者支援をも数カ所で継続してきました。その一つが大森地区です。この大森地区から要望があって今週訪問しました。コミュニティセンターの必要です。

大森は二区によって構成されていましたが、一区はほぼ壊滅的な津波被害を受けました。二区は高台にあるため直接の被害を免れました。約70世帯ほどです。そして海岸の方にあったコミュニティセンターも津波によって失われてしまいました。

一年経った今も町内としての機能を果たせなくなっており、かつての住民同士の信頼関係も薄らいでいると言います。その理由の一つに支援の在り方にあるようですし、何よりも共に集まって話し合う機会を失っていることです。ですから集まる場所が欲しい、住民の要望が高まっている理由です。

さらに以前から「スミレ会」という高齢者の方々の集まりがあり定期的な会合を持っていました。それが今回の大震災でできなくなり、現在は代表の方の自宅で集まりをしているとことです。この代表の方の自宅は半壊で修復したそうです。

こうした中で何とか共に集まる集会所を持ちたいという強い要望があります。区長さんを通して役所の方にも要請したそうですが、庁舎自体がリースで維持しているので予算の見通しがたたないと言うのです。各仮設住宅には集会所が設置されています。在宅の方々もその集会所が流されてしまったわけですので集会所を再開できるようにするのも大切な支援の対象になると思うのですが、家が残っている、ということのゆえに顧みられないのが実情です。

今回も地区の班長さんたちと話し合ったのですが、ここにいる高齢者の方々が支え合うためにも必要だし、また何よりも津波によって家を失い、それぞれがそれぞれの仮設住宅にいる方々も大森地区に集会所できれば互いに再会し、交流できると言うのです。むしろ、ここにいる人たち以上にコミュニティセンターの必要を願っているとのことでした。

町の復興はこうした住民の持っていた共同体を再興することから始めるべきだろうと思います。息の長い復興の取り組み、忍耐を求められる町の復興、まずは住民の一致団結できる仕組みから取り組むべきだろうと思います。

課題は土地です。最近になって貸していいという方がおり、見通しが立ったとのことです。であればまずはプレハブでもいいわけでなんと早期に実現できないかと願っています。

この情報に目をとめていただいた方々にお願いです。この支援の具体化のために知恵をください。具体的な資金の見通しのために協力できる方がいれば紹介していただきたいのです。

デイサーヴィスと一緒になったセンターとか、日常品の販売が可能な売店のあるセンターとか、いろいろアイデアはあると思います。

2012/03/28

フラー神学校関係者を迎えて

先週21~22日はフラー神学校関係者たちを被災地に案内して回りました。21日は塩釜聖書バプテスト教会の取り組み、前日の20日に落成式が行われたボランティアセンターの働き等について紹介していただいた。塩釜教会は被災地、多賀城市の少し高台にあるために津波の直接被害はありませんでした。被災地支援のセンター的教会として周辺の被災した町々の支援活動を積極的に行っています。そして石巻では「祈りの家」の阿部一さんたちが取り組んできた津波被災住宅の修復ボランティア活動について紹介していただきました。私どもSBSネットも当初から協力してきた働きです。その中心的な働きを担っておられるルーテル同胞のベンソン宣教師は都合で同行できませんでしたが、共に労する阿部さんの協力に感謝しています。

そして翌日は南三陸町に出かけました。ここではいよいよ具体化したクリスチャンセンターの設置について、建設予定地を回りながら今後の働き、支援と宣教のために祈りを共にしました。中心になって働きを進めてきた聖協団の中澤竜生牧師の協力に感謝しています。町全体の復興にキリストの福音が反映されるように願っています。とてもスケールの大きな支援と宣教の業がなされようとしています。そしてわずかな時間でしたが波伝谷の仮設住宅にも立ち寄り、教授たちが実際に被災者との対話の時を持つことができました。

23日は東京での東日本大震災「国際シンポジウム」が駒込にある聖学院で開催されました。サブタイトルが「いかにしてもう一度立ち上がるか:これからの100 年を見据えて」と、とても大きなテーマ、視点で企画されています。総合司会は倉沢正則氏(東京基督教大学学長、宣教学)、そしてフラー神学校の教授を中心に東京基督教大学、聖学院大学の教授たちによる講演です。講演者以下の方々です。

Juan Martinez  フラー神学校准教授、異文化国際プログラム学務担当副学部長。

Glen Stassen  フラー神学校教授、キリスト教倫理学。

大木英夫  聖学院大学総合研究所所長、組織神学。

山口陽一  東京基督神学校校長、東京基督教大学教授、日本キリスト教史。

藤原淳賀  聖学院大学総合研究所教授、キリスト教倫理学。

そして私は被災地からの報告発題、特に支援の在り方、考え方に対する神学的考察について発題する機会を与えれました。震災を期に日本のキリスト教界が教派を超えて一つになって取り組もうとする機運、流れを感じました。しかし実際には向き合うべき大きな課題があります。気づくべきところにしっかり気づいて取り組むことができたらと願うものです。250人ほどの参加者、大盛況でした。

今後の被災地での支援活動計画として、イザヤ58ネットの呼びかけに応えてくださった福音伝道教団の皆さんから提供された衣類関係を届けます。また定期的に続いている歌津や大上坊の方々に生活消費材を提供す予定になっています。

また定期的に本、絵本を届けることに合わせて素晴らしい贈り物が届けられました。JECAの西堀キリスト教会の婦人会の皆さんからのかわいらしいストラップの贈り物です。これまでもそうであったように一つ一つとても丁寧に、メッセージの込められた贈り物を準備してくださいました。一つも無駄になることのないように届けたいと思っています。

4月中旬には10日ほどオレゴンにある日本人教会のボランティアチームが来日します。せっかくの奉仕、十分に対応できるように準備中です。子供たちのための英語学習支援なども行う予定です。

また4月下旬ないし5月初めに「南三陸町を支えるキリスト者ネットワーク」によって南三陸町に設置される「クリスチャンセンター」の開所式が行われる予定です。今月末にはプレハブの住宅が設置工事がなされるとのことです。ことがスムースに進められることを願う者です。

2012/03/16

大森地区支援

今週は「イザヤ58ネット」(7名)の皆さんがボランティア活動に取り組みました。福音伝道教団の諸教会から献品された生活消費材を届けることになりました。初日12日(月)は三月も半ばというのに仙台は雪、吹雪いています。そして現地に向かう翌13日(火)は朝からしんしんと雪が降っているのです。10センチほど積もっているだろうか、とても寒い朝です。

13日(火)は南三陸町の大森地区の皆さんに届けられました。あらかじめ諸教会に呼びかけてくださって集められた物資はロングの二トントラックいっぱいです。効率よく提供するためにいったん全部下ろして、仕分け作業です。米、30キロ、10キロ、5キロ、3キロ、2キロ入り、また家にあるものから取り分けられたと思われる個別の袋入りなどと様々です。献品された皆さんの暖かい心が見えてくるような光景です。さらに味噌、醤油、砂糖、油、さらに各種洗剤、トイレットペーパー、ティッシュペーパー等々です。トイレットペーパーの多くは首都圏の基督聖協団の教会からの提供とのことです。大森地区約80世帯分を積み込み現地に向かいました。

最近は昨年前半ほど頻繁に物資を届けていません。あってもお米など単品で、今回のようにまとまったものとしてはしばらくぶりとなります。以前ほど緊急性はないものの、町全体の復興が遅れているわけで、生活支援があれば励みになるという状況です。住民の方も「米と味噌・醤油、油さえあれば」と多くのことを求めているわけではありません。特に高齢者の方々からは感謝の言葉が返ってきます。皆さんが口するのが「仕事がない」ということです。町自体が、一部の企業を除いて復興にはほど遠い状態にあります。最近30代の方が自ら命を絶ったことが報じられたそうです。とても気になったことは、これからさらにこうしたことが起こるのではないかとの現地の方々の発言です。

ここ大森地区は二区になっていて、一区は残ったのは二軒だけで大半が津波で流されてしまいました。二区は高台に位置し直接の津波被害を免れた地域です。支援物資はないわけではありませんが、一部に偏っているとのことです。こうした良き業、支援がかえって住民の人間関係を壊してしまう現実を重く受け止めています。取り組み如何によっては私たちもその人間関係を壊す要因になりかねないのです。ここに聖書の教えがあり、福音のメッセージがあると思っています。

2012/03/11

3.11大震災、あれから一年

「3.11大震災」あれから一年、不思議な感覚です。瞬く間に過ぎ去った一年でもあり、失ってしまったような一年でもあります。今日11日、各地で追悼の祈りがなされました。私たちキリスト者にとって主日礼拝の日、被災地の人々を思いつつ礼拝の時を持ちました。被災地で求められるのは生き方の伴う支援です。宗教的クリスチャンではなく真のクリスチャン、古きに死んで新しさに生きるキリスト者です。

新年を迎えて3月にもなるというのに情報発信をできずに、と言うより怠ってしまいました。一月からは特に被災地の子供たちを意識して図書の提供を始めました。また新年の挨拶を願って私たちの支援に関係している方々を訪問し、今の状況について話を聞きました。大上坊、桝沢、大森地区の代表の方々です。この地区でのまとめ役、中心になっていただいている方々で、この方々を介してその地区の支援を行っています。支援も押しつけにならないようによく話し合って情報を得ながら取り組んでいます。これらの地区は在宅被災者の方々が多く住むところです。仮設住宅は戸倉地区の切曽木、波伝谷、また中瀬地区、岩沢地区などです。

2月に入っていくつか大切な集まりがありました。2月6日には御茶ノ水クリスチャンセンターにおいてJEAの「宣教シンポジウム」が開催され発題の機会が与えられました。3.11大震災を契機に教会のパラダイム転換を提言しました。つまり、教会は元々地域社会の繁栄をもとめ寄与、貢献する共同体であったこと、支援と宣教は切り離せなさず、一体のものとしてなされていたのです。

2月20日には「南三陸町を支えるキリスト者ネットワーク」の集まりが神学校を会場に開かれました。新たな段階に進む当たって、南三陸町の文化について学んだり、拠点となるセンター設置の構想など、有志が共に集まって話し合いました。特に震災発生当初から中心となって南三陸町の被災者支援に取り組んできた基督聖協団の中澤竜生牧師の働きは大きい。良き隣人として誠実に取り組む支援活動によって育まれた地元の方々との信頼関係は次の段階に進展させるベースになっています。

今週は「イザヤ58ネット」の皆さんが支援活動に励まれます。今回は南三陸町と石巻を訪問します。福音伝道教団を中心に生活消費財関連の支援物資を提供してくださる予定です。

4月中旬にはオレゴン州ポートランドにある日本人教会の有志の皆さんがボランティアチーム作って来日します。被災地の子供たちへのプログラムを予定しています。

2012/01/06

新年への課題(2)

「クリスマス茶会」が行われた戸倉地区の波伝谷仮設を中心に戸倉地区の支援について、またこれからのプロジェクトについて記しておきたいと思います。私たちの戸倉地区支援は、他の支援グループからは大分遅れて始まりました。三陸道「桃生津山」を降りて45号線から何度も南三陸町に入っていますが、その最初に通過する地区が戸倉地区です。いつもどのような状態になっているのか、気になりながら走っていました。夏も過ぎてから、支援で出会った方を介して、あまり支援の届かない場所があるので一度、訪ねて欲しいとの依頼がありました。その一つが波伝谷であったのです。

幸い、この地区の自治会長さんは誠実な方で喜んで向け入れていただき、皆さんとの交流が始まりました。すでに先の報告でも記しましたように、間もなく、今、最も必要としているものとして「乾燥機」の話しがありました。「乾燥機」については戸倉地区自治会長さんたちの集まりの中で話題になったと聞きました。話しを聞き、この戸倉地区全体を考えながら取り組むべきと考え、実際に必要としているところについて確認していただきました。結果的に切曽木、神割崎、津宮、そしてこの波伝谷の四箇所に提供することになりました。その後、冬物衣料品とかホットキーパーシート、「餅つき器」(共同使用)など、地区全体で情報を共有していただきながら、かつ必要に応える形で支援に取り組んできました。なお、乾燥機やホットキーパーシート等の購入資金の一部、また冬物衣料などの支援では「イザヤ58ネット」の皆さんからの協力をいただきました。

そして、12月「クリスマス茶会」、今回は日時の関係で戸倉地区は波伝谷だけになりました。「八木山聖書バプテスト教会」の協力を得て、会員の大宮香織さんに賛美奉仕をしていただきました。彼女の歌声は大海原と青空の空間を飛び交う小鳥のように被災者の心に響き渡る、感動そのものでした。クリスマスを表現した和菓子と珈琲、組み合わせは微妙でしたが、とても和やかな集まりとなりました。ここには子供たちも何人かいるのですが、今回はほとんど年配者たちの参加となりました。どの地区も被災地での高齢者への支援は心に留めたい一つの大切な課題です。なお、この地区にも「西堀キリスト福音教会」有志の皆さんたちから「電子レンジ対応のゆたんぽ」のプレゼントが、特に年配者の方々に贈られました。

新しい年を迎えて、子供たちを意識し、絵本や書物を届けたいと願っています。全国から送られたもので内容は申し分ないが、若干古いとか、いくつかの理由で図書館に収まりきれなかったものです。図書整理のボランティア活動の中で、やむなく処分される本に気づき、譲り受けることにした貴重な書物です。これまでは、他の支援物資のこともあり、取り組めずにいたプロジェクトでもあります。

今週から、手始めに戸倉地区、岩沢の仮設の子供たちために本を運びます。子供たちやその親御さんたちとの出会いを楽しみにしています。この「本を読んで考えよう」プロジェクトの取り組みの中で、次につながる支援の可能性を見つけ出していければと願っています。

2012/01/01

新年への課題

2011年、文字通り最後の日となりました。3.11大震災以来、多くの方々に祈り支えていただきました。また具体的な支援において協力いただき、心から感謝を申し上げます。同時に被災地においては、見ず知らずの私たちを信頼し、受け入れてくださり、さらに支援を必要としている方々を紹介していただき、関係が広まっていることに感謝したいと思います。そして何よりも支援する側、受ける側といった関係ではない、互いに支え合う隣人としての信頼関係が築かれつつあることに感謝したいと思います。

先週20日(火)大森地区、21日(水)戸倉地区の波伝谷仮設での「クリスマス茶会」を行いました。24日(土)には升沢、米広、大森、中瀬、岩沢等を訪問しました。「クリスマス茶会」としては、今回は二箇所だけになりましたが、次につながる機会になったと思います。

大森地区は直接の津波被害を免れた在宅の方々で、どちらかと言えば支援に回った方々です。しかし、身内や親戚の中に津波被害を受けた方々がおります。優先順位があるものの支援を必要とした方々でもあります。ただ、完全に流された方々と比べれば回復は早いように思います。私たちの願いはこの地元の方々を通して、彼らの関係者で支援を必要としている方々への支援が展開できるようになればと願っています。今回の「クリスマス茶会」は単にお楽しみ会だけではなく、共に「支援の在り方について」意見交換をすることを目的としました。この大森地区でまとめ役を引き受けてくださった佐藤源六さんご夫妻の声がけで、班ごとに奉仕してくださった方々に、自由に集まっていただきました。

この地区に対する支援が皆無ではありません。問題は届く支援が地域の皆さんに、誰もが納得できるような仕方で届いているかどうかです。具体的な状況は分かりませんが、一部の方に片寄ったり、必要としている方に届かなかったり、支援をする、しないの原則が明確でなかったりと、むしろその支援のゆえに住民間の信頼関係が崩れてしまうという、とても残念な結果が生じていることです。いわゆる人道支援の限界であろうと思います。支援は単に物の提供に留まらず、心の問題も並行して行われなければと思います。

ますます疑心暗鬼に陥らないためにも、共に集まり、みんなが率直に意見交換ができる環境が必要です。この大森地区はおよそ半分は津波に流されました。そしてコミュニティーセンターも流されました。地区住民が共に集まる場所がありません。そのために互いに意見を交換したり、意見を聞き合ったりすることができず、結果として共に再建していこうという機会を逸しているのです。この状況を何とか克服する術はないかと、問われました。これは一つの支援グループではなく、行政の責任領域かもしれません。要望を含め、仮設の建物でも、共に集まる場所の実現のために知恵を尽くしたいものです。

同じ地域住民が揃って居住している仮設住宅は、そう多くありません。そうした状況で、一つの地区共同を築いていくことは容易でありません。それだけに大森地区のようにもともとあった地域共同体が、逆に支援のゆえに崩れるとしたら非常に残念なことです。新しい年、知恵を尽くさなければならない支援の一つです。(続く)